今月のおすすめは
野生雲霧圓茶です。
大変にできのよいプーアル茶なのでお見逃しないよう!
昌泰茶業の雲霧圓茶シリーズは簡単に言うと、高山茶の春茶をコンセプトとしています
これだけではよく耳にする高級茶でいまいち特徴がつかめないのでもう少し詳しく書くと
・高山茶(そして「雲霧」につつまれる)
・谷雨茶(春茶、4月中旬から5月初旬に摘まれた茶葉)
・一芽一葉茶
の三つを基本コンセプトとしています。
雲霧圓茶誕生十周年を記念して作られた野生雲霧圓茶(今月発売したプーアル茶)はさらに
・野放喬木茶
が追加となります。
さらに詳しく見ていきましょう。
最初の高山茶ですが、高山茶というと雲南省では標高1200mほどから高山茶とされます。
高山の中でも雲霧圓茶シリーズはその名のとおり「雲霧」につつまれるような環境で育った茶葉となります。
雲霧に包まれるというのはどういうことかというと、二つの要素があります。
・雲霧が発生するような寒暖差
・雲霧によって日光がさえぎられる
雲霧が発生する環境とは基本的に寒暖差がある環境となります。
茶に限らず寒暖差のあるところで育った農作物はしっかりと栄養を蓄えおいしく育ちます。
(お米などもそうですよね)
そして、雲霧につつまれて育つことで日光がある程度遮断されます。
これは日本茶でいうところの「かぶせ茶」と同じように、日光を制限することによって光合成がコントロールされます。
植物が生長するのに光合成は不可欠ですが、茶葉においては多すぎる光合成は強すぎる苦味につながります。
茶葉のうまみ成分であるテアニンは光合成によって苦味の強いカテキンへと変化しますが、うまみ、苦味の程よいバランスがおいしいプーアル茶を生み出します。
次に谷雨茶ですが、これは4月の中旬以降、5月の初旬までの春茶をさします。
高級茶というとまだ芽吹いたばかりの斗春茶葉などありますが、うまみの乗った二春茶葉がプーアル茶には(特に熟成を考えると)最良であるといいます。また、煎も続きます。
一般に斗春茶は香りが強いもののうまみにかけるともいいます。
一方で二春茶は香りは斗春に劣るがお茶としてのおいしさ、バランスのよさがあります。
(おいしい斗春茶でも熟成させると物足りなさを感じるものも多くあります)
と二春茶がいいと書きましたが、どうしてもうまみの総量(密度)では引けを取る部分があります。
なので、雲霧圓茶シリーズではその部分を強化するよう一芽一葉茶として作られています。
そして、10周年を記念して作られた雲霧圓茶である野生雲霧圓茶では喬木茶に仕上げられています。
もともとの雲霧圓茶は茶園茶の中から上に書いたような条件を満たす茶葉で作られています。
そのため、品質も十分ながらもお手ごろな価格となっていましたが野生雲霧圓茶は本格派プーアル茶として喬木茶として作られています。
雲霧圓茶自体は2002年以降も作られていますが、特別な名前がつけられているのは2002年の易武雲霧圓茶とこの野生雲霧圓茶だけです(ほかの年のものは版納雲霧圓茶として作られています)。
と、話が長くなってしまったのでこのあたりにしてまた次回へと続きます。