お椀型特徴の沱茶ですが、なぜあの様な形が広まったのでしょうか。
沱茶が作られたのは1902年といわれています。
(沱茶に押されているマークは下関茶廠のロゴ)
餅茶にせよ、沱茶にせよお茶なのに固く押し固められています。
なぜお茶が押し固められるのでしょうか?
当時は(それ以前も)雲南茶は重要な交易品でした。交易品であるためその運搬性が非常に大事で、散茶では嵩がはり、擦れてクズ茶となる分も多く、効率が悪く商売にならないため、茶葉はおしかためられる様になりました。
このように茶葉がおしかためられるルーツとされるのはいわゆる「団茶」でその言葉の通り団子状、砲丸状におしかためられていました。
ならば団茶でいいじゃないかと思いますが、団子形では実は問題がありました。
それは保存性です。
丸い団子形では中心部まで乾燥させることが一苦労です。
そもそも中心部まで乾燥させることができず、そのまま茶の劣化させてしまったり、出荷前に乾かすことはできても、輸送中に濡れてしまった茶葉が自然に乾きにくく、保存性の問題があります。
そのような中「発明」された沱茶は画期的でした。
布袋に入れて口を絞りながら型に対して茶葉を押し込むだけので作れる沱茶は作るのも簡単(=コストが安い)です。
しかし何より、その出来上がった沱茶は中央に虚のある形であるため、周囲の暑さを見れば薄く広がっています(団子型と比べて)。
そのため、乾燥しやすく空気の周りも良いので保存性が格段に上がり歩留まりも下がりました。
そして、その保存に向く形状は味わいにも影響を及ぼし美味しく熟成の進む沱茶は人気を博しました。
(販売方法による部分が大きかったともいわれています)
このように大理市で新たに発明された形状のお茶はその消費先である四川省(都会)へ運ばれ消費されました。
このお茶が最初に流行した場所が沱江流域でした(当時は川に沿って流通が進みます)。
そのためこの新しいプーアル茶は沱茶と呼ばれるようになったといわれます。
と沱茶のあらましを簡単に。