今月のおすすめは老茶頭です。
知る人ぞ知るプーアル茶ということで老茶頭の特集をしています。
当店では以前より人気の老茶頭だったので、知る人ぞ知るプーアル茶というキャッチコピーに対して「そうなの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、老茶頭はまだまだ「知る人ぞ知る」プーアル茶です。
発酵しすぎて自然と押し固まった茶葉とある老茶頭ですが、これは熟茶づくりで微生物発酵を促す
「渥堆」工程にて生み出されます。
渥堆では製茶した茶葉を積み上げ、水分を与え微生物による発酵を促します。
このさい局所的に過発酵となって温度が上がり過ぎた場所などの茶葉が自然と押し固まり茶頭(茶斗とも呼ばれます)となります。
このような過発酵が起こる茶葉は柔らかく細かな茶葉が密集しているところが多いので一般的に茶頭には若芽が多くなりますが、プーアル茶としては見た目が悪く、規格外の物として通常のプーアル茶に含まれることはありません。
この押し固まった茶葉はその見た目から以前は疙瘩茶とよばれていました。
基本的に半端もの、不良品の部類に当てはまる疙瘩茶は販売されることもなく、一部の愛好家が珍しいものとして楽しむものでした。
その疙瘩茶が老茶頭となり一般に知られるようになったのは2005年以降と言われます。
当時の孟海茶廠の副廠長が老茶頭の呼び名を広めたといわれます。
さて、ではなぜ茶頭ではなく「老」茶頭なのでしょうか。
上で過発酵した茶葉が茶頭であると書きましたが、はやり発酵しすぎは良くありません。できたての茶頭は発酵臭が強く風味が良くありません。しかしそこは熟成が持ち味のプーアル茶、しばらくの間寝かせ風味の落ち着いたものはもともとの茶葉の良さ(上で書いたとおり、若芽が多く含まれる)、そして過発酵によって生み出される独特の風味は素晴らしく他にはない美味しさを生みだします。
このように、出来立てではなくしばらくの熟成が必要とされる(熟成させたものである)という意味を含め茶頭ではなく、「老」茶頭として初めて完成します。
このように知る人ぞ知るプーアル茶であった老茶頭はその美味しさが知られるようになってきました。
しかし、もともと歩留まりの部分で生産量が少なく、さらに熟成が必要な老茶頭はいつでも楽しめるものというわけにはいきません。一般に老茶頭の量は茶葉に対して2%、100kgの熟茶づくりで2kg程度しか取ることができません。
このように生産量が圧倒的に少ない老茶頭はどの茶廠も毎年製品化するわけにはいかず、何年か茶頭を確保してから製品化する事となります。今回発売の昌泰茶業の老茶頭も1999年から2006年までにつくられた茶頭を集めて作られています。
今月発売の昌泰茶業の老茶頭をいれて現在3種類の老茶頭を販売しています。
3つの老茶頭が一同に会するチャンスはなかなかありません、この機会を逃さずぜひお試しください。
(特に国艶茶廠の老茶頭が在庫薄となっておりますのでご興味のある方はお早めにお願い致します)