今月のおすすめは易昌號です。
今月のおすすめのためにサンプルを探していると
2002年の易昌號が出てきた。
ということで今日は
易昌號特集をしておきながら販売していないプーアル茶の品茶である。
このプーアル茶は開店時に販売していたプーアル茶で、今月発売の
'99易昌號と一緒に深センの昌泰事務所から仕入れたものである。
現在ではもうなくなってしまったが、当時昌泰茶業は深センに事務所がおいてあり、当店も懇意にさせてもらいいろいろなプーアル茶を融通してもらった。そこは店舗ではなく事務所なので通常は卸を行っていないが、日本に向けてプーアル茶を販売するという話を面白いと思ってもらっての話であった。
その事務所はホテルの一室だったので大量の在庫があるというわけではないのであるが、少数精鋭のプーアル茶がおかれていた。その中の一つが
'99易昌號であり、このプーアル茶である。ここで'99易昌號を仕入れることができたのはとてもラッキーだった。
ちなみに、どちらも昌泰茶行の社長、陳世懷氏が州政府の高官を接待するために昆明の倉庫から一筒づつもってきたもののうち、残ったものであった。
どちらも当時昆明倉から持ち出されたものであったが、その出自が異なっている。
一つは99年の極品、もう一つは02年の精品。そのスペック上の違い以上に熟成状態が大きく違っていた。
その違いは昆明倉にたどり着くまでの道のりで,'99易昌號は香港倉を経て昆明倉に戻ったものであり、この'02易昌號は昆明倉育ちである。
その違いは明確で製造年の違いである3年以上の熟成度の違いがあった。
香港倉でしっかりと熟成された'99易昌號に対して昆明自然倉の'02易昌號。自然倉7年なのでまだまだ若いという印象を記憶しているが、実際当時の紹介分を確認すると熟成はそこまで進んでいませんがと書いてある。
それから7年がたち熟成はしっかりと進んでいる。
とはいえ'99易昌號とは違う熟成だ。7年前の'99易昌號と比べてもやはり違う。
自然倉の熟成はやはりクリアですっきりとした仕上がりである。マレーシア熟成の
2000年の易昌號 精品とよく似ている。
これはグレードが一緒だからという話ではなく、熟成具合が似ている。しかし、マレーシア熟成のほうがよりまろやかな印象。
同じ易昌號なので基本的な味づくりは一緒である。それでも熟成具合の違いによって、グレードの違いによって違いが出てくるところがプーアル茶の面白さであり、奥深いところである。
なんてことを昔のプーアル茶を飲むと思いなおしてしまうのです。