今月発売の大益茶、老茶頭。
老茶頭と言えば商品紹介のページにもあるように、熟茶をつくる工程で発酵が進み、「疱瘡茶」とも呼ばれる硬くなった茶葉を集めたものとなります。この茶葉は熟成がより進んでいるため、その風味も味も深い特別な風味を持つプーアル茶です。その中でも大益牌の老茶頭は、熟成技術で一歩先行く孟海茶廠の老茶頭で、その風味はさらに特別な逸品です。
老茶頭は当店でも以前販売していましたが、2012年に2010年の老茶頭が売り切れとなって以来品切れとなっておりました。というのも当の孟海茶廠において老茶等の生産が大幅に減ってしまったと言う事情があります。
これは別に孟海茶廠全体の生産量が減ったと言う訳ではなく、新世代発酵技術、通称「黒馬技術」が採用された結果、熟茶づくりでの発酵がむらなく均質に行われるようになったため、結果として「歩留まり品」でありながらも「希少品」である茶頭が減ってしまったという事情がありました。
今回発売の老茶頭は2014年の12月にようやく発売された老茶頭です。
そのおいしさはそれまでの老茶等のおいしさを引き継いでいるのはもちろんですが、こちらも新世代技術の恩恵を受け仕上がりの深さはそのままに、発酵臭など欠点とされる香はぐっとへり、ワンランク上の仕上がりとなっています。
これまでは250gサイズでの販売でしたが、今年は100g単位でよりお求め安く、さらにチョコレート状に押し固められ茶葉に切れ目が入っているので扱いやすくなっています。
湯を注いだ時に立ち上がる香は以前の老茶頭と比べると明らかに発酵臭は少なく清浄さがあります。
嗅覚からすでに甘さ、そしてコクとまろみを感じます。実際にプーアル茶を口にすると風味豊かな甘み、そしてプーアル茶らしさ以上のとろみを感じます。この風味は特別で他のプーアル茶ではまず見つけることのできない風味です。煎のもちも抜群で長くいつまでも存在感のあるプーアル茶を楽しむことができます。
葉底をみると、これまでの老茶頭との違いがよくわかります。
固まりである茶頭はやはり固まりであるのですが、その固まりっぷりは明らかに小さく、ゆるくなっています。しかし茶頭の深い熟成はそのままで、形を崩し発酵し固まった茶葉の姿です。八煎後の茶葉でも葉底からにじみ出る水分にはしっかりと色があり、そのおいしさの「長さ」を実感できる作りです。
あらためてみても間違いなくすばらしいできの老茶頭ですが、今年も作られるかはまだ不明です。2015年はほとんどの大益熟茶に新世代発酵技術が採用され歩留まりは著しく改善しているとききます。2013年は発売されず、2014年の12月になってようやく発売となった老茶頭、今年も発売されるのか、またしばらくの間デッドストックとなるのかは今後の知らせを待ちます。