今月のおすすめは大益の作った現代の銘茶、
金大益です。
このプーアル茶は2003年に台湾の飛台茶行によってオーダーされ、孟海茶廠によって作られました。
この頃の大益の作るプーアル茶は「色」大益と呼ばれ、このプーアル茶には金大益の名がつきました。
通常、紅や紫といった色で呼ばれる中、「金」の呼び名がつくこのプーアル茶の品質は推して知るべし。
事実、一緒にオーダーされた銀大益とともに金銀大益は質検印証が押され、そのクオリティの高さで際立っています。そして、金大益は発売より間もなく茶人たちの中で話題となり、その評価をあげていきました。
その作りを受け継ぎ作られた
2011年金大益です。
このプーアル茶は初代金大益の特徴である「強い味」を引きついています。
どっしりと厚みのある強い味わいはすばらしく、まだ若いプーアル茶ですがしっかりと金大益らしさを持っています。
初代金大益の特徴の一つとしては、班章茶葉を使用しているということが挙げられますが、2011年版の金大益には班章茶葉を使用されていません。
しかし、茶葉そのものの持つ旨味の強さは初代金大益以上とも評価され、2011年のまだまだ若いプーアル茶ですが、近年ではまれに見る大評判を博し、茶人の中には初代を上回る出来であるとの声も上がっています。
このような大評判を受けるプーアル茶には偽物がつきものですが、やはり2011年金大益の偽物はすでに市場に出回っています。
この偽物の精巧さもすばらしく(偽物として)、一見して偽物と判断するのはかなり難しいほどの出来となっています。表面のプリントの正確さも高く、さらには裏面に貼られている偽造防止シールの完成度もかなりの高さです。
もちろん細部を確認するとその違いはあるのですが、注意が必要です。
とはいえ餅面や茶葉の具合などには違いは見つけやすく、試飲をすればその違いはすぐに分ります。
(当店の金大益はもちろん本物です。念のため。)
ちなみに初代金大益の偽物ありますが、こちらは独特の退色加減の表現が難しいせいか、本物を見たことがあれば一見して偽物と分ります。
金大益のおいしさは上にも書きましたが、その味の強さにあります。
班章茶葉(初代)、布朗茶山の茶葉(2011年)を使用して作られた金大益はその圧倒的な旨味と風味の強さで数多のプーアル茶から一線を画しています。
昌泰のフラッグシップであり、当店のフラッグシップでもある易昌號は易武山の茶葉で作られたプーアル茶です。
易武山茶葉は「幽玄な味わい」と評されるように、おだやかな味わい、風味の繊細さにおいしさがあります。
金大益の持つおいしさは易昌號とは正反対と言えるかもしれませんが、どちらも現代の銘茶です。
二つのプーアル茶を飲み比べるとその違いは一目瞭然、どちらもおいしいプーアル茶ですが、全く違うプーアル茶。
今回紹介の金大益、易昌號の飲み比べもふくめぜひともお試しいただきたい現代の銘茶です。