今月のおすすめでは辺茶を軸に
茯磚茶 特制を新しいお茶として紹介しています。
茯磚茶は湖南省で作られ、ウイグル地方で喫されているお茶です。
このように聞くと、ラフなイメージを持ってしまうかもしれませんが、茯磚茶は実に香り高くやさしいお茶です。
日本ではフー茶として知られている茯磚茶ですが、お茶の中では「黒茶」と呼ばれる種類のお茶です。
緑茶や紅茶などお茶にはいろいろな種類がありますが、その中でも黒茶は特別なお茶となります。
お茶づくりにおいては「発酵」とよばれる工程があります。
緑茶であれば無発酵、紅茶であれば完全発酵、ウーロン茶であれば半発酵といった具合です。
ここで言う発酵はいわゆる一般的な発酵ではなく、「酸化発酵」と呼ばれるものなのですが、さらに正確に言えばただの酸化反応で微生物による発酵とはまるで別物です。
一方、フー茶をふくむ黒茶には「後発酵」とよばれる工程があり、これが黒茶の特徴となります。
この「後発酵」はいわゆる一般的な発酵、微生物の力をかりて茶葉を実際に発酵させる工程となります。
微生物による発酵を行う黒茶は微生物の力によってほかのお茶にはないさまざまな成分を持ちます。
フー茶(=茯磚茶)であれば「金花菌」と呼ばれる有益菌による発酵が行われます。
金花菌による発酵が進むと、「金花香」とよばれるフー茶独特の華やかな香りが生まれてきます。
また、発酵によって苦味渋みの強い茶葉もまろやかになり、茶の色も明茶色へと変化していきます。
味や見た目だけの変化でなく、金花菌によって有益成分も生み出されていきます。
茶葉から作られているので日本茶などと同じようにダイエット効果があるのは当然ですが、フー茶ならではの効果として整腸作用があるといわれています。
同じ黒茶である
プーアル茶(熟茶)もそうですが、フー茶には苦味渋みがないのでとても飲みやすいお茶です。
プーアル茶との違いとしてはプーアル茶がしっとりまろやかであるのに対してフー茶はさっぱりまろやかなお茶といったところでしょうか。
フー茶、そしてプーアル茶。
黒茶という日本ではなじみの薄いお茶ですが、どちらもほかにはないおいしさを持ったお茶です。
ぜひ一度お試しください。