1990年代より始まったプーアル茶ブームは2000年代を通して盛り上がり、2008年に頂点を迎え、そしてはじけました。
台湾で始まったプーアル茶ブームはその後香港へと伝わり、そして中国経済の隆盛とともに中国本土へと伝わっていきました。ブームは過熱しはじめ、2005年ごろになるとバブルという言葉が聞かれるようになりました。
バブルには悪い面がいくつかあります。
プーアル茶ブームの回で書きましたが、ブームでは質の高いファン、愛好家の数が増えプーアル茶にいい影響を与えましたが、その後過熱したブームはさらに多くの人々を巻き込みバブルへと変わっていきます。
バブルに巻き込まれ、バブルをまさにバブルとしたのが投機家たちです。年々価値の上がるプーアル茶は投資という視点から見ると最高の商品となります。
適切に保管してさえいればその価値は下がることなく、プーアル茶の味はよくなり、希少性も高まり結果その価値、ひいては価格が上がっていきます。永遠の輝きを保つもののその本質的価値は変わることのない金よりも、成長すれば価値が上がるが成長しなければ価値の下がる株よりもプーアル茶は財産形成に適したものとさえ考えられました。
もちろん、改めてプーアル茶を飲み、そのおいしさの虜になっていった人たちもたくさんいました。
理由は何であれ、果たしてプーアル茶の価格は高騰します。
それまでたとえば2005年に20万円程度であったビンテージプーアル茶の価格は当然のように100万円を超えていきます。プーアル茶は話題を集め、さらに多くの人がプーアル茶の世界へと足を踏み入れます。新しいプーアル茶であっても作れば作るだけ売れていきます。
そうなると作れば作るだけ売れるので、たくさん作りたい、しかし原料の茶葉ない。そうなると横行するのが品質の低下、偽物です。
プーアル茶ブームはあまりにも急に大きくなったため、偽物を偽物とわからない人たちがたくさん巻き込まれました。偽物作りが儲かるとなると偽物作りの業者も増え、プーアル茶の市場はますます混沌としていきます。
そして2008年、バブルがはじけます。